
参考書もアプリも買ったのに、また三日で開かなくなった。自分は意志が弱いんだと思う
先に言っておきます。意志は関係ありません。
この記事で書くのは、続けるコツではなく続かない原因のほうです。読み終わる頃には、次に何を変えればいいかが決まっているはずです。
【最初に結論】続かないのは、方法が「続けにくい形」をしているから

先に結論からお伝えします。
ここには「ご褒美を用意する」「周りに宣言する」といったコツは出てきません。
そういう話は他の記事にたくさんあります。それでも続かなかったから、あなたはこのページを開いているはずです。
「今度こそ」と思って教材を買った日のことは、たぶん覚えていますよね。買った日がいちばんやる気があって、そこから下がっていく。
その下がり方を止める話ではありません。やる気が下がっても回る形に変える話です。
この先で扱うのは、次の4つです。
1ヶ月続けたのに、辞めた

英語をやり直そうと決めたとき、私が最初に選んだのはラジオ講座でした。
毎日決まった時間に流れて、値段も安い。続けやすいと言われている定番です。
実際、1ヶ月は続きました。
でも、途中で聞かなくなりました。サボろうと決めた日があったわけではありません。気づいたら聞かなくなっていた、という辞め方です。
理由ははっきりしています。話せるようになっている実感が、まったく持てなかったから。
30日ぶん聞いても、自分が前に進んだかどうかわからない。わからないまま続けるのは、思っている以上にしんどいことです。

1ヶ月続いた時点で、意志の問題ではないんですよね。続いたのに辞めた。ここが大事なところです
同じことは単語帳でも起きました。こちらはもっと早く止まりました。
意味と綴りを丸暗記するページを開くたびに、気持ちが重くなる。開くまでのハードルが日に日に上がって、そのうち机の上から動かなくなりました。
2回とも、私の意志の強さは変わっていません。変わったのは方法だけです。
続かない原因を自分の性格に置くと、打つ手がなくなります。性格は簡単には変えられないからです。
でも原因が方法の形にあるなら、変えられます。
続けにくい形の正体3つ

私が潰れた2つの方法を並べると、共通点が3つ出てきます。
ひとつずつ紹介していきます。
① 成果が見えない
ラジオ講座で私が辞めた理由がこれです。
英語の伸びは、そもそも自分では見えません。単語をひとつ覚えても、昨日と今日で世界の聞こえ方は変わらない。
だから進んだ証拠を外から見せてくれる仕組みがないと、人は自分が止まっているのか進んでいるのかを判断できません。
判断できない状態が続くと、脳は「これは無駄かもしれない」と結論を出します。そこで手が止まる。
意志が折れたのではなく、続ける理由が見つからなくなっただけです。
② 始めるまでが重い
単語帳で潰れた理由がこれです。
やる気が出ないから始められない、と思われがちですが、順番が逆でした。始めるまでに必要な動作が多いほど、続かない。
机に向かう、本を出す、ペンを持つ、前回の続きを探す。この4つを毎晩こなす前提の設計だと、疲れた日は確実に飛びます。
しかも飛ばした翌日は、前回の続きを探す作業が1つ増えています。重さは日ごとに積み上がっていきます。
③ 一度欠けると終わる
「毎日30分」「1日20単語」。私が自分に課したのは、どちらもこの形でした。
こういう設計には、達成できなかった日に「失敗」のラベルが自動で貼られます。
1日飛ばした瞬間、連続記録が途切れる。途切れた記録は、もう取り戻せません。
そうなると、続けるモチベーションだったはずの数字が、そのまま辞める理由に変わります。
続かない人が悪いのではなく、100点か0点しか用意していない設計が悪い。

よく考えると、なかなか厳しい約束なんですよね
よく勧められるコツが、効かなかった理由
「英語 勉強 続かない」で検索すると、続けるコツを並べた記事がたくさん出てきます。
ご褒美を用意する。周りに宣言する。学習記録をつける。スキマ時間を見つける。
どれも間違ってはいません。ただ、これらが効くのは「やる気」の側です。
やる気を高く保てば続く、という前提で作られた対策なんです。
一方、この記事で挙げた3つの弱点は、やる気の問題ではありません。方法そのものに原因があります。
成果が見えないのも、始めるまでが重いのも、1日できないと終わるのも、その方法がそういうつくりをしているからです。
だから、ご褒美や宣言でやる気を足しても、効かなかった。やる気の問題ではないところに、やる気の対策を当てても効きません。
順番としては、まず形を直す。やる気の工夫はその後で足せば十分です。
続けやすい形の3つの条件

条件は、さきほどの3つをそのまま裏返すだけです。
この3つを一度に満たす、一番確実な方法があります。英語を、「意志で始めるもの」から「生活の決まった場面とセットのもの」に変える。つまり、生活に組み込んでしまうことです。
すると、
- 始めるまでが重い → 場面が決まっていれば、「今日やるかどうか」を毎回決めなくていい。始める判断そのものがなくなる
- 一度欠けると終わる →場面は生活のほうが毎日運んでくる。1日できなくても、明日また同じ場面が来る
- 進捗が見える → ここだけは道具選び
これは3章の裏返しです。始める判断が重いなら、判断しなくていい場面を作る。欠けると終わるなら、生活が次の場面を運んでくる形にする。
組み込み方は2つあります。
①予定として組み込む。毎週この曜日のこの時間、と枠を決める形です。スクールの予約が典型で、予約が「やる場面」を作ってくれます。
②いつもの行動に紐づける。通勤や家事のように、すでに毎日やっている行動の上に英語を乗せる形です。こちらはアプリが向いています。
| 予定として組み込む形 | いつもの行動に紐づける形 | |
|---|---|---|
| 具体例 | スクール・コーチング・レッスン予約 | 通勤中のアプリ・家事中のシャドーイング |
| 「やる場面」の作り方 | 予約と約束が場面を作る | 毎日の行動がそのまま場面になる |
| 効いている力 | お金・人との約束・締切 | 判断しなくていい・始める動作が少ない |
| 向いている人 | 自分ひとりだと後回しにする人 | 予定を入れられるのが負担な人 |
| 弱点 | 始めるのが重い・費用がかかる | やらなくても誰にも気づかれない |
どちらが正しいということはありません。どちらを選ぶかは、自分の生活で決まります。
毎週同じ時間を空けられる人は、予定として組み込めます。通勤のように毎日くり返す行動がある人は、その行動に紐づけられます。
逆に、時間を空けられないのにスクールを選ぶと続きません。毎日くり返す行動がないのにアプリだけを選ぶのも同じで、「やる場面」が作れずに止まります。

私は後回しにするタイプなので、通勤に紐づける形で勉強を続けています。
教材を選ぶ前に、置き場所を探します。
そしてここが着地点です。形を選べば続きます。選ぶのは自分です。
意志を鍛える話ではなく、生活のどこに置くかを決める話。だから今日からできます。
私がいま続いている方法

具体的に書きます。私の平日は、予定として組み込んだスクールと、通勤に紐づけたアプリの2本立てです。
予定として組み込む:毎週のスクール
スクールのほうは、毎週決まった曜日に枠があります。行くかどうかをその日に決めることはありません。
効いているのは予定だけではありません。
宿題があります。 やらずに行くと、次の時間に自分が困ります。だからレッスン前日までに、眠くても机に向かう理由が発生する。
進捗もはっきりわかります。 模試や日々のレッスンで、いまどこにいるかを数字とフィードバックで返してもらえる。
ラジオ講座のときに足りなかったものが、ここでは外からの目で埋まっているわけです。
いつもの行動に紐づける:徒歩通勤の20分
もうひとつが、こちらです。
私の通勤は徒歩で20分です。この20分は、AIと英会話をするか、シャドーイングをすると決めています。
決めているのは「何をやるか」だけで、「やるかどうか」は毎朝決めません。家を出た時点で、その場面は始まっています。
スマホはポケットに入れたまま。歩いている間、画面は見ません。
シャドーイングは耳と口だけで済みます。AI英会話のほうは、スピーク(Speak)というアプリを使っています。
AI相手に英語を話す練習ができるアプリで、ハンズフリーモードがあります。画面をタップせずにレッスンを進められる、公式ヘルプにも載っている機能です。
声は普通に出しています。家で練習するときと同じです。
歩きながらやるなら、周りの音や車には気をつけてください。

家を出た時点で始まっているので、「今日は疲れたから」と言い訳する隙がないんですよね
3つの条件で見ると、こうなります。
- 始めるのが軽い:通勤はどうせ毎日ある。始める動作は、歩き出すことだけ
- 欠けても戻れる:1日飛ばしても、翌朝また同じ20分が来る。連続記録を数える必要がない
- 進捗が見える:ここだけはアプリの仕事。次で書きます
進捗が数字で見える
一単元を終えるとスコアが上がります。
これが思っていたより効きました。今日やった分がその場で数字になるので、「進んだかどうかわからない」状態にならない。
ラジオ講座で私が失ったのは、まさにこの部分でした。
一単元が短く、基礎から上がっていく
最初に出てくるのは「天気について話す」のような、教科書の1課目のような内容です。そこから徐々にレベルが上がっていきます。

レッスンの中身も細かく区切られています。1つの単元が数ステップで終わるので、「今日はここまで」の区切りを自分で作らなくて済みます。

人に向かって話さないから、歩きながらでも気楽
相手はAIです。だから聞かれて困る相手がいません。
人前だと小さくなる声が、ここでは小さくなりません。
そして始めるまでの動作が少ない。アプリを開いてカードを押すだけです。
声が出せない日の逃げ道が用意されている
これは公式ヘルプで見つけて驚いた部分です。
スピークには「今は話せないモード」があります。声を出しづらい場所でも学習を続けられるモードです。
自分の代わりにアプリのモデル音声が発話してくれる仕組みで、「今日のレッスン」限定で使えます。
声を出せない日の選択肢は、ほかにもいくつか公式に挙がっています。フリートークのタイピングモード、リスニングでの復習、短いクイズ形式のクイックレッスンです。
つまり、「今日は無理」の状況を先回りして潰す仕掛けが標準で入っているわけです。
3条件の3つ目、「欠けても戻れる」に効いてくるのはここです。
それでも続かない日のために

形を整えても、できない日は来ます。仕事が終わらない日も、単純にやる気が出ない日もあります。
そういう日にやることは、根性を出すことではありません。ゼロの日を作らないことです。
なぜここまで下げるかというと、連続が途切れた日ではなく、その翌日に戻ってくるのが大変だからです。
1日空いた翌日、戻るのに必要な気力は、続けているときの何倍にもなります。単語帳のときの私がそうでした。
前の日にやっていないと、机に向かう前に「昨日サボった」という事実を1回踏むことになります。この一手間が地味に重い。
だから「1つだけやった日」を挟んでおく。それだけで翌日の心理的な距離がまったく変わります。
ここでの目的は学習量ではありません。明日の自分が戻ってきやすい状態を残すことです。
もし間が空いてしまったときは、続きから再開しなくてかまいません。
私が単語帳で失敗したのは、最初から積み直そうとして、その量に絶望したからです。
戻る場所は「正しい位置」ではなく「軽く始められる位置」でいい。取り返そうとした日から、また崩れます。

空白の日数を数えるのをやめた日から、戻ってくるのがずいぶん楽になりました
よくある質問

Q1日何分やればいいですか?
A時間で決めないほうが続きます。「30分」と決めると、20分しか取れない日が失敗になるからです。私は「1単元」のように、終わりがはっきりしている単位で区切っています。時間より、終わりが見えるかどうかです。
Q何から始めればいいですか?
A教材選びより先に、英語を生活のどこに置くかを決めてください。毎週動かない予定を作れるならスクールやコーチング、毎日の通勤や家事に乗せられるならアプリです。置き場所を決めずに教材だけ選ぶと、どんな良い教材でも続きません。
Q何度も挫折しています。私には向いていないのでしょうか?
A挫折の回数は向き不向きと関係ありません。同じ形の方法を選び続けていれば、同じ場所で止まります。私はラジオ講座と単語帳で、別の理由で2回止まりました。原因を「形」で分けると、次の一手が変わります。
Q間が空いてしまいました。最初からやり直すべきですか?
Aやり直さなくていいです。むしろ最初から積み直そうとすると、その量に絶望します。確実にできるところまで戻って、そこから再開してください。
Qアプリは何個も入れたほうがいいですか?
A増やすほど続きません。開く前に「どれをやるか」を決める工程が増えるからです。始めるまでの動作を減らすのが目的なので、逆行します。
Q単語帳が続きません。私だけでしょうか?
A私も続きませんでした。丸暗記は、始めるまでの心理コストが高い形の代表です。単語の成り立ちから覚える方法に切り替えると、暗記が「意味のわかる作業」に変わります。英単語の語源一覧にまとめました。
Q忙しくて時間が取れません。
A時間がないというより、始めるまでの動作が多いのだと思います。5分あっても、机に向かって本を出す形なら手が出ません。同じ5分でも、スマホで1単元なら手が出ます。取れる時間の長さより、その時間に始められる形かどうかです。
Q独学とスクール、どちらが続きますか?
A人によります、では答えになっていないので言い切ります。自分ひとりだと後回しにする自覚があるならスクールです。 私はそうでした。逆に、予定を入れられること自体が負担なら独学で、その場合は進捗が見える仕組みを別に足してください。
Q続いているかどうかは、何で判断すればいいですか?
A連続日数ではなく、辞めていないかどうかで見てください。1週間空いても、戻ってきていれば続いています。連続記録で判断すると、1日の欠けが辞める理由になります。
まとめ:意志を鍛えるより、形を選び直す

最後に、この記事の要点をまとめます。
- 1ヶ月続いたのに辞めたなら、それは意志の問題ではない
- 続けにくい形には3つの弱点がある。成果が見えない/始めるまでが重い/一度欠けると終わる
- 続けやすい形の条件は、その裏返し。進捗が見える/始めるのが軽い/欠けても戻れる
- 続ける方法は同じ。英語を、生活の決まった場面に組み込む。予定として組み込むか、いつもの行動に紐づけるか
- 自分の生活のどこに置けるかを決めてから、教材を選ぶ
私はいま、毎週のスクールと、徒歩通勤20分に置いた英語の2本立てで続けています。
最後にひとつだけ。
続かなかった方法の数は、あなたの弱さの記録ではありません。合わない形を消してきた記録です。次に試す形が、まだ残っています。
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