英語の語根一覧【意味グループ別28個】1つ知れば10単語つながる「意味の核」

英語学習
悩む読者
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単語帳を開くたびに気が重い。昨日覚えたはずの単語が、今日はもう思い出せない…

その覚えにくさは、単語を1個ずつバラバラに覚えているせいかもしれません。

実は英単語には、意味の中心になるパーツが埋まっています。このパーツの呼び名が「語根(ごこん)」。語根を1個知ると、同じパーツを持つ単語がまとめてつながります。

この記事では、よく出る語根を意味グループ別に28個に絞った一覧をお渡しします。まずは、1個で10単語つながる実例からどうぞ。

語根「spect」を1個知ると、単語が10個つながる

語根spectの芋づる体験 1個で10単語

spectは「見る」という意味の語根です。ラテン語のspecere(見る)から来ています。

たったこれだけの知識で、次の単語がぜんぶ「見る」の仲間だとわかります。

語根spectで芋づる spect(見る)からinspect・respect・expect・suspect・prospect・spectatorがつながる図解
  • inspect = in(中を)+ spect → 中を見る → 「検査する」
  • respect = re(もう一度)+ spect → 振り返って見る → 「尊敬する」
  • prospect = pro(前を)+ spect → 前を見る → 「見通し・見込み」
  • expect = ex(強めの働き)+ spect → じっと見張って待つ → 「期待する」
  • suspect = sus(下から)+ spect → 疑いの目で見る → 「疑う」
  • spectator = spect + -ator(する人) → 見る人 → 「観客」
  • aspect = a(〜の方を)+ spect → 見え方 → 「側面・様相」
  • perspective = per(通して)+ spect → 見通す → 「視点・遠近法」
  • spectacle = spect + -acle → 見るもの → 「光景」
  • inspection = inspect + -ion → 「検査」

10個並びました。全部、spectという1つの核から枝分かれした単語です。しかもTOEICでもビジネスメールでも常連の顔ぶれ。spect1個で、これだけの範囲の単語が網羅できます。

私がこのspectの仲間に気づいたきっかけは、inspection(検査)でした。spectは見るというイメージがあるよと教えてもらった瞬間、respectもprospectもspectatorも、一気につながったんです。

しろ
しろ

1個調べたら、10個ついてきたんですよね。

この「1個から芋づる」が、語根のいちばんの威力です。そしてこの威力は、spectだけのものではありません。28個ぶん、あります。

語根とは?語源との違いもここで整理

語根とは何か 語源との違い

あらためて整理します。語根とは、単語の意味の中心になるパーツのことです。

英単語を1本の木にたとえると、語根はです。spectという幹に、in-やre-の枝が伸び、-ionや-atorの葉がついて、それぞれ別の単語になります。幹が同じなら、どの単語も「見る」に関係する。だからまとめて覚えられるわけです。枝葉がどれだけ変わっても、幹の意味は変わりません。

似た言葉に「語源」があります。違いはこうです。

言葉意味例(respectの場合)
語源その単語の成り立ち全体の話ラテン語respicere(振り返って見る)が語源
語根成り立ちの中の意味の核となるパーツspect(見る)が語根

つまり、語源という大きな話の中に、語根という部品がある関係です。単語の意味を推測する道具として実際に使うのは、もっぱら語根のほう。

なお、単語の全体構造(語根の前につく「方向」のパーツ、後ろにつく「品詞」のパーツ)は、親記事の英単語の語源一覧【厳選32パーツ】で整理しています。この記事は、その中の幹=語根だけを深掘りします。

英語の語根一覧【意味グループ別28個】

英語の語根一覧 意味グループ別28個

一覧です。バラバラに並べず、意味のグループごとにまとめました。似た意味の語根はセットで頭に入れるほうが残ります。

見る・聞く・感じる系の語根(5個)

見る聞く感じる系の語根5個

五感と心のグループです。日常でもビジネスでも出番が多い語根がそろっています。

語根中核の意味例単語(分解つき)
spect見るinspect(in 中を+spect→検査する)、respect、expect、suspect、spectator
vis / vid見るvisible(vis 見る+-ible できる→目に見える)、video、television、evidence
aud聞くaudience(aud 聞く+-ence→聴衆)、audio、audit、auditorium
sens / sent感じるsentiment(sent 感じる+-ment→感情)、sense、consent、sensitive
cred信じるincredible(in 否定+cred 信じる→信じられない)、credit、credential

creditは「信じる」から来ています。クレジットカードは、あなたが払うと信じてお店が先に商品を渡す仕組み。訳語の「信用取引」より、語根のほうが腑に落ちませんか。

もうひとつ、audit(会計検査・監査)にはaud(聞く)が入っています。昔の会計検査は、帳簿を読み上げさせて聞く手続きだったからです。単語の中に、当時の仕事風景が残っています。

言う・書く系の語根(4個)

言う書く系の語根4個

コミュニケーションのグループです。

語根中核の意味例単語(分解つき)
dict言うpredict(pre 前もって+dict→予言する)、dictionary、dictate
scrib / script書くdescribe(de 下へ+scribe 書き記す→描写する)、script、subscribe
voc / vok呼ぶ・声vocabulary(voc 呼ぶ→単語集・語彙)、vocal、advocate
log言葉・論理dialogue(dia 間で+log 言葉→対話)、logic、monologue、apology

logだけは出身が違って、ラテン語ではなくギリシャ語(logos)です。学問系の単語に強く、-logy(〜学)はぜんぶこの仲間。

ちなみにapology(謝罪)の原義は「弁明の演説」でした。apo(離れて)+log(話す)で、身の潔白を離れた立場から説明すること。ソクラテスの裁判での弁明は英語で「Apology」と呼ばれます。謝っているわけではないんです。

動く・運ぶ系の語根(8個)

動く運ぶ系の語根8個

ここが最大勢力。英語は「動き」を語根で描き分けます。

語根中核の意味例単語(分解つき)
port運ぶimport(im 中へ+port→輸入する)、export、transport、portable
fer運ぶtransfer(trans 越えて+fer→移す・乗り換える)、offer、prefer、differ
mit / miss送るsubmit(sub 下に+mit→提出する)、transmit、mission、dismiss
tract引くattract(at 〜へ+tract 引く→引きつける)、tractor、extract、contract
ject投げるreject(re 元へ+ject→投げ返す→拒否する)、project、inject
vent / ven来るconvention(con 共に+vent 来る→集まり・大会)、event、adventure
gress / grad歩む・段階progress(pro 前へ+gress→前進)、graduate、gradual
mov / mot動くmotivate(mot 動く+-ate→動かす→やる気にさせる)、motion、promote、remove

portとferは、どちらも「運ぶ」です。使い分けの法則を覚える必要はありません。単語ごとに「どっちの運ぶが入っているか」が見えれば十分です。

tractorが「引くもの」だと知ると、農場のトラクターと、契約のcontract(con 共に+tract=互いに引き合って結ぶ)が同じ仲間になります。畑とオフィスが1本の語根でつながるの、ちょっと面白くないですか。

gress/gradの隠れた仲間には、degree(学位・度合い)がいます。de(下へ)+grad(一歩)で、階段を一段ずつ。温度の「度」も学位も、一段ずつ刻むものだからdegreeなんです。

作る・置く系の語根(5個)

作る置く系の語根5個

ものづくりと配置のグループです。

語根中核の意味例単語(分解つき)
fac / fact / fect作る・なすfactory(fact 作る+-ory 場所→工場)、manufacture、effect、perfect
struct組み立てるconstruct(con 共に+struct→建設する)、structure、instruction
formtransform(trans 越えて+form→変形させる)、uniform、inform
pos / pon置くposition(pos 置く+-ition→置かれた場所→位置)、positive、postpone
press押すexpress(ex 外へ+press 押し出す→表現する)、pressure、impress

perfectは、per(完全に)+fect(作る)。最後まで作り切ったが原義です。完璧という訳語より、手を動かした感じがありますよね。

つかむ・保つ系の語根(2個)

つかむ保つ系の語根2個

数は少ないのに、やたら顔が広いグループです。

語根中核の意味例単語(分解つき)
cap / ceptつかむaccept(ac 〜へ+cept つかむ→受け入れる)、capture、concept、except
ten / tain保つcontain(con 共に+tain 保つ→中に持つ→含む)、maintain、tenant

conceptは「頭の中でつかんだもの」→概念。exceptは「外へつまみ出したもの」→〜を除いて。抽象的な単語ほど、語根で見ると絵になります。

maintainも絵になる単語です。manu(手で)+tain(保つ)で、手で持ち続ける。メンテナンスとは、手をかけ続けることなんですね。

生きる・命系の語根(3個)

生きる命系の語根3個

最後は命のグループです。

語根中核の意味例単語(分解つき)
viv / vit生きるsurvive(sur 越えて+vive 生きる→生き延びる)、vivid、vital、revive
gen生む・生まれgenerate(gen 生む+-ate→生み出す)、generation、gene
med癒すremedy(re+med 癒す→治療・解決策)、medical、medicine

vitaminは、vita(命)+amine(化学物質のアミン)。命の物質という名前です。1912年の命名当初は「vitamine」でしたが、アミンではないと判明して、しれっと末尾のeが落ちました(笑)。発見当時の期待と訂正の跡が、そのまま単語に焼きついています。

しろ
しろ

28個、全部にこういう物語があるんですよ。

語根が効く場面:初見の単語を推測してみる

語根が効く場面 初見単語の推測

一覧を頭に置いたところで、実戦をやってみましょう。

credibilityという単語に、長文で初めて出会ったとします。知らない単語です。でも、さっきの表からcred(信じる)が見えます。

cred(信じる)+ -ibility(できる度合い)。信じられる度合い。答えは「信頼性」です。辞書なしでここまで寄せられます。

もう1問。retractはどうでしょう。

re(元へ)+ tract(引く)。元へ引く。答えは「撤回する」。発言を引っ込める場面で使われる単語です。

仕上げにもう1問、provoke

pro(前へ)+ vok(呼ぶ)。相手を前へ呼び出す。決闘を申し込むような絵が浮かんだら、正解です。意味は「挑発する」。voc/vok(呼ぶ)はvocabularyで覚えた語根なのに、けんかの単語まで解けてしまいました。

しろ
しろ

知らない単語のはずなのに、初対面じゃない感じがしませんか。

TOEICの長文でも、この推測は普通に使えます。もちろん外れることもあります。それでも、知らない単語でも語根が1つ見えれば、意味の見当がつきます。見当がつくだけで、長文の読みやすさは大きく変わります。

推測した単語は、あとで辞書で答え合わせをします。当たっていたら記憶に残るし、外れていたら「なぜ外れたか」がわかります。どちらに転んでも得しかありません。

語根でつまずくポイント:同じ語根が形を変える

語根のつまずき所 形が変わる

ここが、語根学習でいちばんつまずきやすいところです。

一覧を覚えたのに、単語の中に見つからない。その原因の多くは、語根が形を変えていることにあります。代表的な変形を4つ押さえておきましょう。

① spect → spic

specere(見る)は、単語によってspicの形で現れます。conspicuous(con+spic→はっきり見える→目立つ)、suspicious(疑わしい)。suspectとsuspiciousは、綴りが違っても同じ「見る」の仲間です。

② mit → miss

mittere(送る)の変化形がmissです。submitとmission、transmitとdismissは同じ語根。日本語の「行く」と「行った」のような、同じ動詞の変化形の関係です。

ついでに豆知識をひとつ。dismiss(解散させる)の綴りは、ラテン語ではdi-でした。それが後から、他のdis-仲間に引きずられてdis-に変わったんです。単語も、周りに流されるんですね。

③ cap → cept → ceive

capere(つかむ)は三段変化します。capture(cap)、accept・concept(cept)、そしてフランス語を経由してreceive・perceive(ceive)。receiveが「re 元へ+ceive つかむ→受け取る」だとわかると、reception(受付)まで一気につながります。

④ fer → lat

transferとtranslateは、どちらも「越えて運ぶ」です。同じ「運ぶ」の語根が、fer系とlat系に形を変えて現れます。translateは「言葉を向こう側へ運ぶ」→翻訳する。relation(関係)もlat系の仲間です。

⚠️ もうひとつの注意:見た目が同じでも、別の語根のことがある

たとえばmeditation(瞑想)にはmedが入っていますが、remedyの「癒す」のmedとは別筋の意味です。綴りが同じ=同じ語根、とは限りません。怪しいと感じたら、決めつけずに辞書やAIで確認するのが確実です。

変形は、最初から全部覚える必要はありません。「形が変わることがある」と知っているだけで、「一覧にないから無関係だ」という誤解を防げます。それで十分です。

英語の語根に関するよくある質問

語根のよくある質問

Q語根は何個覚えればいいですか?

Aまずはこの記事の28個で十分です。頻出の語根ほど登場回数が多いので、28個でかなりの範囲をカバーできます。一気に暗記する必要もありません。この記事を辞書代わりに、何度か戻ってくる使い方で自然と入ります。物足りなくなったら、出会った単語から1個ずつ増やしていくのが確実です。

Q語根が見つからない単語はどうすればいいですか?

A普通に覚えてください。古くからの基本語(go・eat・run)や外来語には、分解できない単語がたくさんあります。語根は「見つかったら儲けもの」の道具です。全単語を分解しようとすると、逆に挫折します。

Q語根の調べ方でおすすめはありますか?

A一番早いのはAIに聞くことです。「suspiciousの語根は?」と打てば日本語で返ってきます。ただし、AIも語根の説明をたまに間違えるのでご注意を

Q語根と、単語の前につくパーツ、どちらから覚えるべきですか?

A前につくパーツ(re-やun-など)のほうが数が少なく、先に慣れるのに向いています。全体像は親記事の厳選32パーツにまとめてあります。前につくパーツだけを25個に広げた英語の接頭辞一覧もあります。数を増やすなら、そちらが先です。語根はその次に、この記事の意味グループごとに広げていくのが私のおすすめの順番です。

Q語根で覚えた単語は、発音も推測できますか?

A発音は推測しきれません。英語は綴りと発音のズレが大きい言語だからです。knowのkのように書くのに読まない文字まであります。このズレの正体は別の記事で書いたので、気になる方はどうぞ(→英語の発音しない文字はなぜある?)。

まとめ:語根は、単語を「群れ」で覚える道具

語根まとめ 単語を群れで覚える

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 語根は単語の意味の中心。木でいう幹で、1個の語根から単語が枝分かれする
  • spect(見る)1個で、inspect・respect・expectなど10単語がつながる
  • 一覧は意味グループ別28個。似た意味の語根はセットで頭に入れる
  • 語根は形を変えることがある(spect→spic、cap→cept→ceive)。「一覧にない=無関係」ではない
  • 分解できない単語は普通に覚える。語根は「見つかったら儲けもの」の道具

単語帳を1ページずつ潰す勉強は、1匹ずつ魚を釣るのに似ています。語根は、群れごとすくう網です。網の目にかからない魚もいますが、かかるときは10匹まとめて獲れます。

私はいま、問題集で出会った単語にspectやtractの影を探す毎日です。見つかった日は、その日の勉強がちょっと得した気分になります。単語帳の続きが、少しだけ宝探しに近づくからです。

最後にひとつだけ。

この記事を閉じる前に、さっきの28個からどれか1個だけ、お気に入りの語根を決めてみてください。明日の勉強で、その語根はたぶん、あなたの前に出てきます。

同じように英単語の覚え方で悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。

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