
単語帳の丸暗記がしんどい。「接頭辞を覚えると楽になる」って聞いたことはあるけど、結局どれを、何個覚えればいいの?
よく出る接頭辞を意味グループ別に25個まで絞った一覧をお渡しします。
その前に、ひとつだけ。実はあなたは、接頭辞をもう毎日使っています。
接頭辞「re-」は、カタカナ語でもう使っている

re-は「再び・元へ」という意味の接頭辞です。
この2〜3文字が単語の先頭につくと、意味に「もう一度」の矢印が加わります。

- restart = re + start → もう一度始める → 「再開する」
- rewrite = re + write → もう一度書く → 「書き直す」
- recycle = re + cycle → 再び循環させる → 「リサイクルする」
- refresh = re + fresh → 再び新しく → 「リフレッシュする」
- remind = re + mind → 再び心に → 「思い出させる」
- reuse = re + use → 再び使う → 「再利用する」
6個とも、知っている単語の前にreを足しただけです。リスタート、リサイクル、リフレッシュ。ぜんぶカタカナで知っている言葉ですよね。
つまりあなたは、re-=「もう一度」をすでに感覚で知っています。英語学習で接頭辞を覚えるというのは、この感覚に名前をつけて、残りの2〜3文字グループへ広げていく作業なんです。

新しく覚えるというより、答え合わせに近いんですよね。
しかも、この「実は知っていた」はre-だけではありません。プレビュー、インターナショナル、ノンストップ、アンチエイジング。カタカナ語の先頭には、これから紹介する接頭辞がすでに何個も埋まっています。
接頭辞とは:単語の意味の「向き」を決めるパーツ

接頭辞とは、単語の先頭について意味の向きを決めるパーツです。
英単語の意味の中心は、語根というパーツが担当しています。接頭辞の仕事は、その意味をどっちに向けるか。port(運ぶ)という語根に、ex(外へ)がつけばexport(輸出)、im(中へ)がつけばimport(輸入)。中身は同じ「運ぶ」で、矢印の向きだけが逆です。
だから接頭辞は、訳語より矢印の絵で覚えるのが向いています。外向きの矢印、下向きの矢印、否定のバツ印。この記事の一覧も、その発想でグループ分けしてあります。
もうひとつ、接頭辞には親しみやすい事情があります。sub・post・interなど、多くの接頭辞はもともと前置詞や副詞だった言葉です。単語の前に置かれ続けているうちに、先頭に貼りついた。だから1個1個が「上」「後」「間」のような、シンプルな位置の言葉なんです。
なお、単語の全体構造(接頭辞+語根+品詞を決める後ろのパーツ)は、親記事の厳選32パーツで整理しています。この記事は、先頭のパーツだけを深掘りします。
英語の接頭辞一覧【意味グループ別25個】

一覧です。方向・時間・否定・つながり・数の5グループに分けました。
方向・位置のグループ(9個)

接頭辞の主戦場です。前後・上下・内外、空間の向きがそろっています。
| 接頭辞 | 中核の意味 | 例単語(分解つき) |
|---|---|---|
| pre- | 前もって | preview(pre 前もって+view 見る→下見・予告編)、prepare、prepaid |
| pro- | 前へ | promote(pro 前へ+mote 動かす→昇進させる)、progress、propose |
| sub- | 下に | subway(sub 下+way 道→地下鉄)、submarine、subtitle |
| super- | 上に・超えて | superhero(super 超えた+hero→スーパーヒーロー)、superior、supermarket |
| in- / im- | 中へ | income(in 中へ+come 来る→入って来るもの→収入)、input、import |
| ex- | 外へ | export(ex 外へ+port 運ぶ→輸出する)、exit、express |
| inter- | 間に・互いに | interview(inter 互いに+view 見る→面接)、international、internet |
| trans- | 越えて | translate(trans 越えて+late 運ぶ→翻訳する)、transport、transfer |
| tele- | 遠く | telework(tele 遠く+work→遠隔勤務)、telephone、television |
superとtele-は、スーパーマーケットとテレワークでおなじみです。カタカナ語は接頭辞の隠れた教材で、意味を知ってから見直すと「上を行く市場」「遠くで働く」と、名前の中身が見えてきます。
in-とex-は、出入りのペアで覚えるのが早いです。incomeは「入って来るもの」で収入、outcomeは「出て来るもの」で結果。importとexportも同じ向かい合わせです。反対語をペアで覚えると、1個の暗記で2個手に入ります。
時間・繰り返しのグループ(3個)

時計の向きを決めるグループです。
| 接頭辞 | 中核の意味 | 例単語(分解つき) |
|---|---|---|
| re- | 再び・元へ | restart(re 再び+start→再開する)、recycle、remind |
| post- | 後に | postscript(post 後に+script 書く→追伸のP.S.)、postwar、postpone |
| fore- | 前もって・先に | forecast(fore 先に+cast 投げる→天気予報)、foresee、forehead |
手紙の最後に書くP.S.は、postscript=「後に書かれたもの」の略です。毎日見ている略語の中にも、接頭辞は隠れています。
pre-とfore-は、どちらも「前もって」。出身が違うだけの同業者なので、意味は同じ引き出しに入れて大丈夫です。
否定・反対のグループ(6個)

unhappyとdishonest、どちらも学校では「不」と習いました。でも、この2つは担当が違います。否定の接頭辞は1種類ではないんです。まず顔ぶれだけ並べます。使い分けは後半の章でじっくりやります。
| 接頭辞 | 中核の意味 | 例単語(分解つき) |
|---|---|---|
| un- | 〜でない | unhappy(un 否定+happy→不幸せな)、unknown、unlucky |
| in- / im- / il- / ir- | 〜でない | impossible(im 否定+possible→不可能な)、incorrect、illegal |
| dis- | 否定・逆の動作 | disagree(dis 否定+agree→意見が合わない)、dishonest、disconnect |
| non- | 〜でない(中立) | nonstop(non 否定+stop→止まらない)、nonsense、nonfiction |
| mis- | 誤って | misunderstand(mis 誤って+understand→誤解する)、mistake、mislead |
| anti- | 反対・対抗 | antivirus(anti 対抗+virus→ウイルス対策の)、anti-aging、antibody |
つながり・強調・数のグループ(7個)

最後は小さめの3グループをまとめて。
| 接頭辞 | 中核の意味 | 例単語(分解つき) |
|---|---|---|
| con- / com- | 共に | connect(con 共に+nect 結ぶ→つなぐ)、company、combine |
| de- | 離れて・下へ | depart(de 離れて+part 分かれる→出発する)、decrease |
| per- | 完全に | perfect(per 完全に+fect 作る→作り切った→完璧な)、persist(per 完全に+sist 立つ→立ち続ける→粘り強く続ける) |
| over- | 上に・やりすぎ | oversleep(over やりすぎ+sleep→寝過ごす)、overwork、overseas |
| uni- | 1つ | uniform(uni 1つの+form 形→同じ形の服→制服)、unicorn、unique |
| bi- | 2つ | bicycle(bi 2つ+cycle 輪→二輪車→自転車)、bilingual |
| tri- | 3つ | triangle(tri 3つ+angle 角→三角形)、trio、triple |
自転車のbicycleが「2つの輪」、三角形のtriangleが「3つの角」。数の接頭辞は算数みたいに素直なので、最初に覚えるグループとしておすすめです。
接頭辞が効く場面:初見の単語を推測してみる

一覧を頭に置いて、3問だけ実戦をやってみましょう。
1問目:prewar。pre(前もって)+ war(戦争)。答えは「戦前の」です。
2問目:superhuman。super(超えて)+ human(人間)。人間を超えている → 「超人的な」。
3問目:transatlantic。trans(越えて)+ atlantic(大西洋)。答えは「大西洋横断の」。長くて強そうな単語ですが、正体は「越えて+大西洋」の2ピースです。
3問とも、単語帳で覚えた記憶がなくても解けたはずです。先頭の2〜3文字が読めると、単語の半分は読めたことになる。これが接頭辞の実用性です。

長い単語ほど、先頭から割ると楽になります。
長文を読んでいる最中の使い方も決めておきましょう。知らない単語で立ち止まらず、接頭辞から仮の意味を置いて読み進める。「preが見えたから、たぶん『前もって』系だな」で通過して、読み終わってから辞書で答え合わせ。読むスピードを守りながら、単語も1個拾えます。
つまずき所①:in-はim-・il-・ir-に化ける

一覧を覚えた人がまずつまずくのが、接頭辞の変身です。
impossible・illegal・irregularは、じつは全部同じin-(否定)。後ろの音に合わせて、言いやすい形に変わっています。

- in + possible → impossible(pの前ではimに)
- in + legal → illegal(lの前ではilに)
- in + regular → irregular(rの前ではirに)
- in + correct → incorrect(そのまま)
法則はシンプルで、口が楽をしたがるだけです。「インポッシブル」より「イムポッシブル」のほうが、pに向かう口の形として言いやすい。それが綴りに固定されました。
実は日本語でも、同じことが起きています。「さんぽ(散歩)」をローマ字で書くとsampoになるのは、「ん」がpの前で自然にmの音になっているからです。口の都合で音が変わる現象を、あなたはもう毎日やっています。

ローマ字のsampoで気づいたときは、ちょっと感動しました。
同じ変身は、con-/com-(共に)でも起きます。connect(con)、company(com)、collect(col)、cooperate(co)。顔は違っても、全部「共に」の家族です。
sub-(下に)にも変身形があります。語根の記事で紹介したsuspect(疑う)のsus-は、実はsub-の変身でした。subway・support・suspect、見た目はバラバラでも、根っこは同じ「下」です。
この章で覚えてほしいことは1つだけ。「一覧にない形=別の接頭辞」とは限らない。im-やil-を見かけたら、in-の変身を疑ってください。変身に気づけるようになると、初めての単語でも「これは、あの接頭辞の仲間だな」と当たりがつくようになります。
つまずき所②:否定の接頭辞はどれを使えばいい?

一覧の否定グループで予告した、unhappyとdishonestの話です。どちらも日本語では「不」ですが、担当が違います。
| 接頭辞 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|
| un- | いちばん幅広い否定。「〜でない」※英語生え抜きで、古英語の時代だけで1000語以上を作った最多産の接頭辞 | unhappy(幸せでない)、unclear(明確でない) |
| in-系 | ラテン語由来の単語につく否定 | impossible、incorrect、illegal |
| dis- | 否定+逆の動作もできる | dishonest(不誠実な)、disconnect(接続を断つ) |
| non- | 事実を淡々と打ち消す中立の否定 | nonstop(無停車の)、nonfiction(フィクションでない) |
| mis- | 否定ではなく「誤って〜する」 | misunderstand(誤解する)、mislead(誤った方へ導く) |
実は日本語でも、私たちは同じことをやっています。「不便」「無料」「非常識」「未定」。否定の漢字を4種類も使い分けていますが、ルールを暗記した記憶はないはずです。単語ごとに、セットで覚えてしまっているからです。英語の否定接頭辞も、同じ付き合い方でかまいません。
そのうえで、覚え方のコツは次の2点だけ押さえることです。
① dis-は「逆再生」ができる。connectの逆再生がdisconnect、appearの逆再生がdisappear。un-にもこの用法はありますが(unlock等)、動作をひっくり返す場面ではdis-がよく主役になります。
身近なところでは、SNSが逆再生だらけです。フォローを外すのがunfollow、いいねの取り消しがunlike。新しい単語が生まれる現場でも、否定の接頭辞は現役で働いています。
② mis-は否定ではない。misunderstandは「理解していない」ではなく、「誤って理解している」。理解した気になっている分、こちらのほうが厄介です(笑)。
ちなみにnon-は、貼り紙と相性のいい否定です。nonsmoking(禁煙)、nonstop(直行)。事実を淡々と打ち消すだけで感情の色がつかないので、案内や注意書きでよく働いています。
unableとdisableの違いも、この目で見ると整理できます。unableは「〜できない」という状態(形容詞)、disableは「使えなくする」という動作(動詞)。スマホの設定画面で機能をオフにするのがdisableです。
使い分けに迷ったら、どちらが正しいかをその場で暗記するのではなく、出会った単語をそのまま覚えるのが確実です。unhappyはunで、dishonestはdisで、もう決まっています。私たちは選ぶ側ではなく、覚える側でいれば十分です。
英語の接頭辞に関するよくある質問

Q接頭辞は何個覚えればいいですか?
Aまずはこの記事の25個で十分です。特にre-・un-・in-・ex-あたりは登場回数が桁違いなので、この数個だけでも今日の勉強から効き始めます。一覧は暗記のノルマにせず、単語学習のときに戻ってくる場所として使ってください。戻る回数が増えるほど、自然と手に馴染みます。
Qin-に「中へ」と「否定」の2つがあって混乱します。
A混乱して当然で、この2つは見た目が同じだけの別の接頭辞です。income(収入)のin-は「中へ」、incorrect(不正確)のin-は否定。どちらのin-かは単語ごとに覚えるしかありませんが、「2種類ある」と知っていれば、incomeを「来ないこと」と誤読する事故は防げます。
Qre-の「再び」と「元へ」は、どう区別するのですか?
A区別しなくて大丈夫です。restartの「もう一度」も、returnの「元へ戻る」も、一度あった場所・状態に向かう矢印という同じイメージの中にあります。単語ごとに「今回はどっち寄りかな」と眺める程度で十分です。
Q接頭辞と、単語の後ろにつくパーツは何が違うのですか?
A前につく接頭辞は「意味の向き」を、後ろにつくパーツ(-erや-tionなど)は主に「品詞」を決めます。役割がまったく違うので、混ぜずに別々に慣れるのがおすすめです。
Q接頭辞が2個つく単語もありますか?
Aあります。たとえばirreplaceable(かけがえのない)は、ir(否定)+ re(再び)+ place(置く)+ -able(できる)。「もう一度置き換えることが、できない」という4ピース構造です。しかも先頭のir-は、この記事で見たin-の変身形。長い単語ほど、この記事の知識が重ねて効いてきます。
Q接頭辞の意味を調べるおすすめの方法はありますか?
A一番早いのはAIに聞くことです。「irregularのir-って何?」と打てば日本語で返ってきます。ただし、AIも接頭辞の説明をたまに間違えるのでご注意を。しっかり確かめたいときは、語源辞典サイト(Online Etymology Dictionary=etymonline.com)が定番です。この記事の25個も、すべてこの辞典で裏取りしています。
Q接頭辞だけ覚えて意味がありますか?
Aあります。3章の推測問題のように、接頭辞+知っている単語の組み合わせなら接頭辞だけで解けてしまう。そのうえで、語根まで覚えると、prewar型だけでなくimport型(接頭辞+語根)の単語まで守備範囲が広がります。
まとめ:先頭の2〜3文字は、単語の道路標識

最後に、この記事の要点をまとめます。
- 接頭辞は意味の向きを決める先頭のパーツ。リサイクル・リフレッシュで、もう毎日使っている
- 一覧は意味グループ別25個。数の接頭辞(uni/bi/tri)から慣れるのが入りやすい
- in-はim-・il-・ir-に変身する(口が楽をしたがるだけ。「さんぽ」がsampoになるのと同じ)
- 否定はun-/in-/dis-/non-/mis-の5人。使い分けの暗記より、出会った単語ごと覚える
- mis-は否定ではなく「誤って」。dis-は「逆再生」ができる
- in-とex-のような反対ペアは、1個の暗記で2個手に入る(income⇔outcome)
接頭辞は、単語という道の道路標識です。標識が読めても目的地(語根)を知らなければ着けませんが、標識を無視すると必ず迷います。まず標識、それから道。この順番なら、25個という数は1〜2週間で手に馴染む分量です。
私はいま、長い単語に出会ったら、先頭の2〜3文字を指で隠してみることにしています。隠した部分が矢印で、残りが本体。この癖がつくと、単語帳のページが少し立体的に見えてきます。
最後にひとつだけ。
次に長い英単語に出会ったら、最初の2〜3文字だけ先に見てください。そこに矢印が見えたら、その単語はもう半分読めています。
同じように英単語の覚え方で悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。
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